とあるエンジニアの備忘log
2014年6月5日木曜日
Linux で Merge Window の開き方が変わった
LKML (Linux Kernel Mailing List) を watch していて、 まだ Linux 3.15 がリリースされていないのに、 やたらと Pull Request が飛んでいるなあ、と思っていたらすでに Merge Window が開いていた。 Linus のこのアナウンスメールです。 [https://lkml.org/lkml/2014/6/1/264](https://lkml.org/lkml/2014/6/1/264) 要約するとこういう話。(MW = Merge Window) ----------------------------------------------------------------------------------- 先週 rc7 をリリースして、本来は今日 3.15 をリリースするつもりだったけど、 ちょっとした修正があって、目論見に反して rc8 をリリースすることになってしまった。 rc8 をリリースしたくなかった本当の理由というのは、娘の学校が 2週間後に終わるので、 それに合わせてバカンスに出かけようとしていたため。 (今日 3.15 をリリースして、 MW を開いていたら、 MW が閉じるのと同時にバカンスに 出発できる、という目論見だった。) ネットがあるから、バカンス中に MW はできるが、できればやりたくない。 かといって、 3.15 をリリースするには、もう少し時間を置く必要がある。 そういうわけで、新しい試みとして、リリースの1週間前に MW を開いてみよう。 リリースの最後の1週間は、おかしなことが起こっていないかの確認期間みたいなものだから、 次のリリースの MW と重なっていたとしてもうまくいうだろう。 MW の最初の1週間は、 3.16 用の変更は 'next' branch へ Pull することになるが、 Subsystem のメンテナーはすでによく branch を使いこなしているから、混乱する人もいないだろう。 ----------------------------------------------------------------------------------- 補足入れつつ、かなり雰囲気で訳してしまったが、だいたいこんな感じだと思います。 図にするとこういうことだと思う。 #### これまでのやり方 #### Mainline には 'master' branch のみがある。 3.x のリリースから 2週間 Merge Window が開いた後、 rc1 リリースがされる。 ----o----------------o---------------------------------o----------------o---(master)---> 3.14-rc8 3.14 3.15-rc1 3.15-rc2 |---- 1 week ----|------------- 2 week ------------|---- 1 week ----| |<-------- [Merge Window] ------->| #### 今回のやり方 #### 3.15-rc8 から 'next' branch が分岐し、新しい機能はこちらにマージされる。 一方、 3.15 のリリースに向けた最後の修正は 'master' branch の方に入る。 3.15 のリリース後に、'next' branch は 'master' branch へとマージされ、 さらにもう 1週間の MW が続いたあと、 3.16-rc1 がリリースされる。 -----(next)------o--------------o----------------o---(master)---> / / 3.16-rc1 3.16-rc2 ----o----(master)----o 3.15-rc8 3.15 |---- 1 week ----|---- 1 week ----|---- 1 week ----| |<-------- [Merge Window] ------->|
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